東京地方裁判所 昭和46年(借チ)3031号 決定
〔主文〕1 申立人が別紙目録記載の土地について同目録記載の借地権を譲受けることを許可する。
2 本件借地契約の期間を昭和四六年九月九日から二〇年に、賃料を昭和四七年五月分以降一ケ月3.3平方米当り金八〇円にそれぞれ改定する。
3 申立人は相手方に対し金二八六万円を支払え。
〔理由〕(申立人の要旨)
一 別紙目録記載の土地(以下本件土地という)について相手方を賃貸人、申立外大場ウタを賃借人とする同目録記載の内容の賃貸借契約が存し、右申立外人は同地上に同目録記載の各建物(以下本件各建物という)を所有していたところ、右各建物について昭和四五年一一月九日任意競売手続が開始され、昭和四六年九月九日申立人においてこれを競落し、同年一一月八日所有権移転登記を経由した。
二 申立人は本件各建物の競落にともない、その敷地である本件土地についての前記借地権を承継したが、借地権譲受けについて相手方の承諾が得られないので、これに代わる許可の裁判を求める。
(当裁判所の判断)
一 本件の資料によれば、申立の要旨一に記載の事実のほか、申立人が本件賃借権を取得しても相手方に不利となるおそれはないものと認められる。よつて、本件申立は次の条件のもとに認容されるべきである。
二 附随処分
本件の資料によれば、本件賃貸借契約には契約書等の書面が作成されておらず、契約の期間が明確でないため、当事者双方は本件許可の裁判の際、期間を二〇年に定められたい旨希望している。そこで、契約期間を申立人が本件建物を競落した日である昭和四六年九月九日から二〇年と定める。
本件申立を認容するに当り、当事者の利害の衡平を図るため、申立人に対し財産上の給付を命ずべきである。そして、その額は右に期間の延長をなしたことをも考慮し、鑑定委員会の意見を参考にして、本件土地の借地権価格一五九〇万円(一万円未満四捨五入)(鑑定委員会の意見による本件土地の更地価格一平方米当り七五、〇〇〇円の七〇%に本件土地面積を乗じた額)の約一八%に当る二八六万円をもつて相当と認める。
賃料については、鑑定委員会の意見に従い、同委員会の意見書作成日の翌月である昭和四七年五月分から一ケ月、3.3平方米当り金八〇円に改定する。
(河村直樹)
目録
(賃貸借契約の内容)
1 土地 東京都北区中十条一丁目一七番三
宅地 470.14平方米のうち 302.79平方米
2 当事者 賃貸人 相手方
賃借人 大場ウタ
3 目的 非堅固建物所有
4 地代 一ケ月3.3平方米当り四五円
(競落建物)
1 家屋番号 三七六番五
木造瓦葺 二階建 居宅
1階 46.28平方米(一四坪)
2階 23.14平方米(七坪)
2 家屋番号 一七番二
木造瓦葺 二階建 共同住宅
1階 71.07平方米(21.50坪)
2階 71.47平方米(21.62坪)